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お坊さんの小話(法話)
〜浄土真宗〜

其の四十
【世界にひとつだけの花2】
[2010/04]

 今、幼稚園や保育所の運動会の『駆けっこ』で、1位2位をつけないのが主流だそうです。順位をつけるのは平等ではないという理由からです。生活発表会での劇で白雪姫が6人いたり、王様が10人いたりするそうです。1人の子供が主役をするのは平等じゃないからだそうです。おかしいと…変だと思いませんか!平等の意味が違うと!駆けっこ走り競争だから1等賞もいればビリの子もいるのは当然です。その1等やビリが、その子の人間性や人としての優劣を決めるわけではないはずです。『青色青光…』『あなたはあなたの光を精一杯放てば良い』の『教え』は、1等やビリにこだわるのではなく、最後まで一生懸命に走った!と云うことが大切だと気づくこと、そういう『目』で自分も他の人も見れるようになることなのです。その『目』で見るなら、白雪姫6人、王様10人の愚かさがはっきりと見えてくるはずです。主役もいれば脇役もいる、魔法使いの役もいれば、鏡の役もいる、たくさんの役の子供たちの協力を得てひとつの物語り劇が完成されます。だれが偉くてだれが偉くないなど関係ありません。みんな必要な役なのです。どの役がかけても物語りは成り立ちません。

 これはひとつの例です。私たちはともすれば、平等と云う言葉や個性と云う言葉の意味を取り違えたりはき違えたりしてしまいます。横並び一列にすることを平等といい、奇異な様を個性だと。真の平等・個性とは、ひとりひとりが…それぞれに輝き、お互いを認め尊重し、お互いが違う光であることを認め合う世界のことです。その世界のなかで…あなたはたったひとつの大切なあなたなのですよと『阿弥陀経』を元にした『世界でひとつのだけの花』は歌っているのです。

 この歌の作詞作曲は槇原敬之さんというシンガーソングライターです。彼はなぜ?阿弥陀経をもとにこの詞を書いたのでしょう?

 それは彼自身が、この『教え』によって『めざめ』たからに違いありません。11年前の1999年3月、彼はある事件を起して執行猶予の有罪判決を受けました。その時、謹慎していたお寺の住職が『阿弥陀経』の『教え』を説いて聞かせたそうです。この時彼は、音楽界でヒット曲を書き続け、芸能界でひたすら走り競争している重縛からのがれ…自分自身を取り戻したのだと思います。みんなにも、歌を聞くすべての人が、『めざめ』てくれるようにと彼はきっとこの歌を作ったのではないでしょうか。

 幼稚園児からお年寄りまでたくさんの人達にこの歌は愛されています。と云うことは、この歌に込められいる『教え』もたくさんの人達に届いている!そう信じています。

合掌

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