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お坊さんの小話(法話)
〜浄土真宗〜

其の五十一
【僧侶の将来は…!?〜自戒をこめて〜】
[2011/03]

 『ブリーフケア?高科さん…それってグリーフケアのことでしょ!?ブリーフケアってパンツ、ケアしてどうするんですか!!』

 友人にグリーフケアのことについて調べてもらおうと思って間違ってブリーフケアとつたえてしまったらしい。おもいっきり笑われてしまった(汗)。

 調べてもらったらYahooo辞書には、このように書いてあった。

■「グリーフ」は「深い悲しみ」という意味の英語。両親や恋人、愛する伴侶といった身近な人の死から立ち直ることができなくなった人をケアしようというのが「グリーフケア」。愛する人を失った悲しみを癒す行為を「グリーフワーク」といい、その援助をすることを「グリーフケア」と表現する。欧米では、子供以外のグリーフケアは以前からあり、次のように分けられている。(1)自殺による死別、(2)殺人による死別、(3)両親との死別、(4)介護した人との死別、(5)生まれてこなかった子供との死別、などである。それそれの死別状況に応じて、どのように対応すべきかが定められており、きめ細かく行われている。たとえば、癌などの病気で家族をみとる場合、ホスピスケアの一環としてチャプレン(専従の聖職者)、ソーシャルワーカー、精神科医ら専門家からなるチームが、患者の死の近づいた段階から死後1年まで、カウンセリング、手紙、電子メールや集会などを通して遺族をケアを行うという。[新語探検 著者:亀井肇/提供:JapanKnowledge]

 2011年現時点において、病気や事故などで亡くなった方の遺族が、悲嘆を乗り越えていく際に病院での遺族への精神的なケアはできないこと、自殺者などが年々増加傾向にあること、また、日本では精神的なケアが一般的ではないためアメリカなどを参考に、こういう考え方や活動が日本でもでてきたのではないかと思われる。

 現在は日本グリーフケア協会が平成20年7月に看護関係者、福祉関係者、宗教関係者、葬儀関係者が集まり発足し、日常的に『死』と向かい合う仕事をしている、病院関係や葬儀社の方などに広まりを見せているようである。

 人間は必ず死んで逝きますが、『死別』のあり方は人様々です。祖父、親、子、孫、友人、知人、同僚、仲間など人間関係や、同居していたのであれば経済環境の変化なども含めて、残された方にかかるストレスは本人にしかわかりません。しかし、その方たちの『悲嘆』という心の負担を少しでも和らげ、一日でも早く社会復帰できるようにサポートするのがグリーフケアの精神のようです。

 どこかで、聞いた事があるような、ないような…。

 さて、この活動が今後社会にどのように影響していくのか想像してみてください…。

…。

…。

…。

 想像できましたか?たぶん悪くなるイメージは沸かなかったと思います。

 では、本題に入ります。

 本来、グリーフケアで説いている内容は、僧侶(浄土真宗)が枕経、通夜、葬儀〜初七日〜四十九日、月参り、命日、法事などで平生業成していることである。いや、しているはずである。いや、しているであろうことである。それが、僧侶本来の役目、役割、使命、仕事のはずだからである。

 この先、グリーフケアを葬儀社がサービス(有料、無料を問わず)として取り入れていった場合、僧侶の社会的意味は通夜、葬儀だけの仕事をすればよいことになるので、当然仕事は楽になります。1年365日休みなく24時間体制で働かなくてもよくなるのです。人が亡くなり、通夜、葬儀の依頼があった時だけ会館に出向き仕事をすればいいのです。日日の月参りには行かなくてよいのです。泊まりの旅行にも行きやすくなるし、万が一、通夜・葬儀と日が重なったとしても、おそらく僧侶方は皆さん時間をもてあましているでしょうから、代行してもらえばいいのです。新たに自分のやりたかった勉強や趣味、やりたい仕事もできるかもしれません…。

■グリーフケアと僧侶の違い
●グリーフケア
・理論や定義がしっかりしているので、非常に論理的である。
・タイプ別などの区分がされているので、初対面でも対応しやすい。
・論理的に話ができるので、家族の方も理解しやすく協力しやすい。
・人が亡くなってから、はじめて話ができる。
●僧侶
・口伝、経験など実践派で感覚的である。
・その人その人に合わせて話しをすることができる。
・僧侶個人個人の考え方や経験の差がある。
・月参り、法事など人が亡くなる以前から話ができる。

では…、もう一度…、今後どうなっていくのか想像してみてください…。

…。

…。

…。

そこに、我々僧侶が平生業成どうすべきかの答えがあるはずです…。

合掌

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