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お坊さんの小話(法話)
〜浄土真宗〜

正信偈
(正信念仏偈)
【書き下し・現代語訳】
[其の九]

譬如日光覆雲霧
雲霧之下明無闇
獲信見敬大慶喜
即横超截五悪趣

【書き下し】
たとえば日光の雲霧に覆わるれども、雲霧の下あきらかにして闇なきがごとし。信を獲て見て敬い、大きに慶喜すれば、すなわち横に五悪趣を超截す。

【現代語訳】
 喩えれば、太陽の光が雲でさえぎられても、雲の下は明るくて、闇ではないようなものです。つまり、忘れきってしまうということはないのです。
 信心(しんじん)を獲得(ぎゃくとく)すれば、同じように信心を得た人を敬い、共に喜ぶことができます。そして、五悪趣(ごあくしゅ)が苦にならなくなります。
 五悪趣とは、地獄(じごく)の心、餓鬼(がき)の心。畜生(ちくしょう)の心、人間の心、天上の心です。それは、憎んだり、ねたんだり、傲慢(ごうまん)になったりすることです。しかし、信心を獲得すれば、そんな心がおこっても、ずっとは続かなくなります。念仏が口を突いて出てくると、「お恥ずかしい自分だった」と、頭が下がるのです。

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